優しい雨が降る夜は
「前は雲隠れ中だったから控えてたけど、今回はあちこち見て回りたいの」
「いいよ、そうしよう」

チェックインを済ませると、早速二人で館内を散策する。

「内装も和風で、ちょっとモダンなところもあって、素敵ですね」
「そうだな。前回は箱根の寄木細工を体験したけど、今回は別のイベントに参加しようか」
「はい!」

二人は茶室で、茶道と和菓子作りの体験に参加した。

日本庭園を眺めながら、作ったばかりの和菓子を味わい、また館内を見て回る。

「そうだ、お土産買わなきゃ。館長と桑原さんと、あと詩音ちゃん達にもお菓子と、タキさんには寄木細工の手鏡にしようかな。美空と光太郎さんには、このペアのぐい呑みとかどうですか?」
「へえ、寄木細工のぐい呑みなんてあるんだ。いいな。俺達もお揃いで買おうか」
「うん!」

無邪気な美月の笑顔に、優吾の表情もほころぶ。

「美月、寄木細工の栞もあるぞ?」
「わあ、綺麗! この小寄木の柄、素敵。柄違いで3種類買おうかな」

両手いっぱいにお土産を抱えて、二人は満足気に部屋に戻った。
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