お抹茶王子にキョーミないですっ!
 さて……。この事実を、マヨにも告げるべきか、隠すべきか。

 でも龍崎先輩のほうはたぶん、わたしがあの時遊んでた子だって気づいたよね? だったらやっぱり秘密にはしておけないか。


 でも女の子の姿だったってことまで話すべき? うーん。


 そもそもなんで龍崎先輩は女の子の姿をしてたんだろう。お母さんも詳しくは知らないみたいだったし、そしたらもう誰にも聞けないや。


 ……本人以外には。


「おはよう。スズちゃん」

「ひがっ!?」


 な、ななな! なんで家の近所の橋のふもとに龍崎先輩が!?


 先輩はわたしの動揺なんかぜんぜん気にせずに「ん? おはよう」と繰り返す。

 今日は昨日のような和服姿じゃなくてみんなと同じ制服姿だ。……当たり前か。


 慌てて「お、おおおはようございますっ」と頭を下げた。


「話したいことがあって。待ち伏せしてみた」


 ふふん、と笑う口もとがやっぱり昨日の画像の『お菊ちゃん』だった。

 脳では理解しても、心が追いつけないというか、納得できない、というか。


 通り過ぎてゆくほかの女子生徒たちがチラチラ見てくる。

 さすがは『お抹茶王子』。そうでなくてもこの人はスターなオーラがあるからみーんな振り向くらしい。

 ……ってなにそれ、マンガですか?

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