お抹茶王子にキョーミないですっ!
 ひ。なになに? ザワついていた廊下が一気に静まり返った。

 中心にいる声の主は……ん!? 宇治原さん!?

 ……あ、じゃないや。よく似てるけど。


「入部する気のない人はおどきになって。真剣に茶道と向き合うつもりのある方だけ残ってください」


 ごくり……。

 なにあの人、こわー、などとヒソヒソ話しながら大勢の生徒たちが廊下を去ってゆく。

 宇治原さんに似たその人は「ふん」と鼻を鳴らすと残ったわたしたちに目を向けた。


「あなたたちは?」

「あ、えと、わたしは」
「ハイ! 入部希望者です!」


 こんなタイミングでのん気にトイレから出てきたマヨがかわいいハンカチで手を拭きながら元気に答えた。


 ひいぃ、待ってよ、もううう!


 こうして廊下にいたわたしたち、プラス本物の宇治原さんともうひとり、ころん、と丸い雰囲気の三つ編みの一年女子のあわせて4名が『入部希望者』として部室に通された。

 いやいやっ、だからわたしは違うのにぃっ!

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