想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜
「このまま蒼羽のこと抱きたい」

「えっ……!」

「ダメかな……」

 想像もしていなかった展開に思わず口ごもる。

 何も言えずにいると、凱斗さんは私を抱きしめたまま、苦し気な声を出した。

「蒼羽のこと全部、俺のものにしたい」

 私だって、好きな人にそんなふうに乞われて、ノーだなんて言えるはずない。

「……私も、全部凱斗さんのものになりたいです」


 嵐の中にいるみたいだった。

 そのまま凱斗さんの部屋に連れて行かれ、この間と、今日、比べ物にならないくらい熱いキスをされて、気がついた時私は、裸で凱斗さんの腕の中にいた。

 凱斗さんの手で、舌で、何度も高みに押し上げられ息が上がる。

 体も思考も、すべてが溶けきってわけがわからなくなった頃。

「蒼羽、いい?」

 苦し気な声で、凱斗さんが聞いてきた。

「……ちょ、ちょっとだけ待ってください」

「どうかした? 体きつい?」

「そうじゃなくて」

 息を整えながら、凱斗さんを見上げる。なけなしの勇気を振り絞った。

「私、初めてで」
「……は?」

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