敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
「お前がそう言うだろうことは、薄々分かっていた……。だがな、それとは別に、どうしても避けられない問題がある」
一瞬、言葉を探すように間を置いてから、ヘレンは続けた。
「本当は……お前に、こんな話はしたくなかった。だが、今の状況では……もう、目を逸らすことはできないんだ。どうか、分かってくれ、ユリア……」
ユリアは、ただ頷くことしかできなかった。
ヘレンのその声には、兄としての優しさと、どうしようもない悲痛さが滲んでいた。
そしてヘレンは姿勢を正し、大きく深呼吸をすると、ユリアを真っ直ぐ見つめた。
「――今から私が話すことは、決して他言してはならない。いいな?」
その声は、兄というよりも、王族としての重みを帯びていた。
ユリアは喉の奥が詰まるのを感じながら、小さく頷いた。
ヘレンは、覚悟を決めたように口を開いた。
「父上はな……側近を使って、ヒーリングの力について調べ続けていらっしゃる。もう……二十年になる」
ユリアの胸が、どくりと大きく脈打った。
「お前は知っているな。ティーン国の力を持つ者同士であれば、子も力を宿すということを」
「……はい」
嫌な予感が胸を締め付け、ユリアの額に冷たい汗が滲んだ。
「言った通り、ティーン国の力を持つ者同士であれば、子は力を宿す。だが片方が力を失えば、子には力は宿らない。だから――当然、力を持つ者と、ティーン国以外の者の間に生まれた子には、力は宿らないと……皆がそう思っていた」
ヘレンは一度言葉を切り、重く息を吐いた。
「だが、実際には……もうひとつ、条件があったんだ」
ユリアは、静かに目を閉じた。
一瞬、言葉を探すように間を置いてから、ヘレンは続けた。
「本当は……お前に、こんな話はしたくなかった。だが、今の状況では……もう、目を逸らすことはできないんだ。どうか、分かってくれ、ユリア……」
ユリアは、ただ頷くことしかできなかった。
ヘレンのその声には、兄としての優しさと、どうしようもない悲痛さが滲んでいた。
そしてヘレンは姿勢を正し、大きく深呼吸をすると、ユリアを真っ直ぐ見つめた。
「――今から私が話すことは、決して他言してはならない。いいな?」
その声は、兄というよりも、王族としての重みを帯びていた。
ユリアは喉の奥が詰まるのを感じながら、小さく頷いた。
ヘレンは、覚悟を決めたように口を開いた。
「父上はな……側近を使って、ヒーリングの力について調べ続けていらっしゃる。もう……二十年になる」
ユリアの胸が、どくりと大きく脈打った。
「お前は知っているな。ティーン国の力を持つ者同士であれば、子も力を宿すということを」
「……はい」
嫌な予感が胸を締め付け、ユリアの額に冷たい汗が滲んだ。
「言った通り、ティーン国の力を持つ者同士であれば、子は力を宿す。だが片方が力を失えば、子には力は宿らない。だから――当然、力を持つ者と、ティーン国以外の者の間に生まれた子には、力は宿らないと……皆がそう思っていた」
ヘレンは一度言葉を切り、重く息を吐いた。
「だが、実際には……もうひとつ、条件があったんだ」
ユリアは、静かに目を閉じた。