敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
家の中に入ると、男は改めて頭を下げる。
「本来ならこちらから王宮へ伺うべきところ、本日はお越しいただきありがとうございます。そして――あの火事の日のこと、本当に、本当に感謝しております」
すると奥の部屋から、少年が勢いよく駆け寄ってきた。
「お姉ちゃん、ありがとうね! 僕、とっても元気だよ!」
少年は胸を張るように言った。
「あの火事の次の日から、またお父さんのお手伝いしているんだよ」
にっこりと笑うその顔を見て、ユリアの頬も自然と緩む。
「そう。元気そうで本当によかったわ」
ユリアは少し身を屈め、少年と目線を合わせて微笑んだ。
その優しい笑みに、少年は嬉しそうに胸を張る。
「最近は、ブレスレットだけじゃなく、指輪やネックレスも売ってるんだよ」
少し誇らしげにそう言う少年に、ユリアは目を細める。
「まあ、そうなの? ぜひ見せてほしいわ」
「ほんと? じゃあこっち!」
少年はぱっと顔を輝かせると、ユリアの手を引くようにして奥の部屋へと案内した。
その様子を、エルフナルドは静かに見送る。
ユリアが楽しそうに少年の話を聞いている姿に、彼の口元にはわずかな笑みが浮かんでいた。
ユリアと少年が奥に入ると、父親は周囲を気にするように視線を巡らせ、小さく声を落とした。
「陛下、あの……以前お話しいただいた件はご安心ください。私も息子も、誰にも話しておりません」
「ああ」
エルフナルドは短く頷いた。
「すまないな。その件をもう一度念押ししに来たわけではないのだが……」
そう言うと、父親は穏やかに微笑んだ。
「わかっております、陛下。王妃様をご安心させたかったのでしょう? とても大切に思われているのですね」
「……」
「本来ならこちらから王宮へ伺うべきところ、本日はお越しいただきありがとうございます。そして――あの火事の日のこと、本当に、本当に感謝しております」
すると奥の部屋から、少年が勢いよく駆け寄ってきた。
「お姉ちゃん、ありがとうね! 僕、とっても元気だよ!」
少年は胸を張るように言った。
「あの火事の次の日から、またお父さんのお手伝いしているんだよ」
にっこりと笑うその顔を見て、ユリアの頬も自然と緩む。
「そう。元気そうで本当によかったわ」
ユリアは少し身を屈め、少年と目線を合わせて微笑んだ。
その優しい笑みに、少年は嬉しそうに胸を張る。
「最近は、ブレスレットだけじゃなく、指輪やネックレスも売ってるんだよ」
少し誇らしげにそう言う少年に、ユリアは目を細める。
「まあ、そうなの? ぜひ見せてほしいわ」
「ほんと? じゃあこっち!」
少年はぱっと顔を輝かせると、ユリアの手を引くようにして奥の部屋へと案内した。
その様子を、エルフナルドは静かに見送る。
ユリアが楽しそうに少年の話を聞いている姿に、彼の口元にはわずかな笑みが浮かんでいた。
ユリアと少年が奥に入ると、父親は周囲を気にするように視線を巡らせ、小さく声を落とした。
「陛下、あの……以前お話しいただいた件はご安心ください。私も息子も、誰にも話しておりません」
「ああ」
エルフナルドは短く頷いた。
「すまないな。その件をもう一度念押ししに来たわけではないのだが……」
そう言うと、父親は穏やかに微笑んだ。
「わかっております、陛下。王妃様をご安心させたかったのでしょう? とても大切に思われているのですね」
「……」