敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
「フレドリック様……」
「こんな遅い時間に、お一人でいらっしゃるとは。少々、無防備ではありませんか」
不敵な笑みを浮かべながら、フレドリックはゆっくりとユリアに近づいてくる。
「少し……外の空気を吸いたくて……。ここは王宮ですし、危険なことなど……」
そう言いながらも、ユリアはベンチから立ち上がり、無意識に距離を取るように一歩後ろへ下がった。
「父上との約束は一週間あるそうですが……もう、その必要はないのでは?」
フレドリックは、探るようにユリアを覗き込み、にこやかに言った。
「……どうして、そのことをフレドリック様がご存じなのですか?」
驚きと警戒が入り混じった声で、ユリアが問いかける。
「父上に頼まれたのですよ。それ以上は……今はお答えできませんが」
そう言いながら、フレドリックはさらに一歩、距離を詰めた。
「王妃様。あなたに、ひとつお願いがあります」
声を落とし、囁くように言う。
「明日、周囲に気づかれることなく、王宮を出ていただきたいのです。王宮から少し離れた場所に使いを出します。あとは、その者について行ってください」
「……王宮を、出る……?」
意味を理解できず、ユリアは思わず聞き返した。
「ええ。もうすぐ約束の一週間も終わりますし……ここ数日、兄上とも顔を合わせていないでしょう? これ以上、ここに留まっても、状況は変わらないと思いますよ」
「で、でも……私が王宮を出れば、すぐに気づかれてしまいます。そんなこと、できるはずが……」
ユリアは必死に首を横に振った。
「こんな遅い時間に、お一人でいらっしゃるとは。少々、無防備ではありませんか」
不敵な笑みを浮かべながら、フレドリックはゆっくりとユリアに近づいてくる。
「少し……外の空気を吸いたくて……。ここは王宮ですし、危険なことなど……」
そう言いながらも、ユリアはベンチから立ち上がり、無意識に距離を取るように一歩後ろへ下がった。
「父上との約束は一週間あるそうですが……もう、その必要はないのでは?」
フレドリックは、探るようにユリアを覗き込み、にこやかに言った。
「……どうして、そのことをフレドリック様がご存じなのですか?」
驚きと警戒が入り混じった声で、ユリアが問いかける。
「父上に頼まれたのですよ。それ以上は……今はお答えできませんが」
そう言いながら、フレドリックはさらに一歩、距離を詰めた。
「王妃様。あなたに、ひとつお願いがあります」
声を落とし、囁くように言う。
「明日、周囲に気づかれることなく、王宮を出ていただきたいのです。王宮から少し離れた場所に使いを出します。あとは、その者について行ってください」
「……王宮を、出る……?」
意味を理解できず、ユリアは思わず聞き返した。
「ええ。もうすぐ約束の一週間も終わりますし……ここ数日、兄上とも顔を合わせていないでしょう? これ以上、ここに留まっても、状況は変わらないと思いますよ」
「で、でも……私が王宮を出れば、すぐに気づかれてしまいます。そんなこと、できるはずが……」
ユリアは必死に首を横に振った。