敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
クリックは、ゆっくりと頷いた。
ただ、受け取るように。
「……わかりました」
その一言に、すべてが込められていた。
クリックの返事を聞き、ユリアは真っ直ぐにクリックを見て、さらに言葉を続けた。
「それでも……もしお許しいただけるのであれば、私はこれからも薬を作りたいです」
「ユリア様のお作りになる薬は、今や民にとって欠かせないものです」
クリックは穏やかな声でそう言った。
「私のほうから、上の者に話をしてみましょう。……ですが、おそらくすぐに良い返事が来ると思いますよ。それほど、ユリア様のお薬は素晴らしいのですから」
「ありがとうございます……」
ユリアは深く頭を下げた。
「私は、クリック様がいなければ、ここまで立ち上がることはできませんでした。クリック様に出会えたこと、本当に……本当に感謝しています」
しばらく顔を上げられずにいると、慌てたような声が返ってくる。
「ユリア様、どうか頭を上げてください」
クリックは少し困ったように笑いながら続けた。
「私こそ、ユリア様と出会えたおかげで、多くのことを学ばせていただきました。感謝しているのは、こちらのほうです」
一度、言葉を区切ってから、優しく微笑む。
「ですが……これでお別れ、というわけではありません。ユリア様は王宮で、私はこの医局で。それぞれの場所で、民のために良い薬を作っていきましょう。それに……これからも、私は時々王宮へ参りますから」
「……そう、ですよね」
ユリアは、ようやく笑顔を浮かべた。
「会えなくなるわけではありませんものね。これからも、どうぞよろしくお願いします」
二人は顔を見合わせ、静かに微笑み合った。
別れではなく、それぞれの道を歩き出すための、確かな一歩だった。
ただ、受け取るように。
「……わかりました」
その一言に、すべてが込められていた。
クリックの返事を聞き、ユリアは真っ直ぐにクリックを見て、さらに言葉を続けた。
「それでも……もしお許しいただけるのであれば、私はこれからも薬を作りたいです」
「ユリア様のお作りになる薬は、今や民にとって欠かせないものです」
クリックは穏やかな声でそう言った。
「私のほうから、上の者に話をしてみましょう。……ですが、おそらくすぐに良い返事が来ると思いますよ。それほど、ユリア様のお薬は素晴らしいのですから」
「ありがとうございます……」
ユリアは深く頭を下げた。
「私は、クリック様がいなければ、ここまで立ち上がることはできませんでした。クリック様に出会えたこと、本当に……本当に感謝しています」
しばらく顔を上げられずにいると、慌てたような声が返ってくる。
「ユリア様、どうか頭を上げてください」
クリックは少し困ったように笑いながら続けた。
「私こそ、ユリア様と出会えたおかげで、多くのことを学ばせていただきました。感謝しているのは、こちらのほうです」
一度、言葉を区切ってから、優しく微笑む。
「ですが……これでお別れ、というわけではありません。ユリア様は王宮で、私はこの医局で。それぞれの場所で、民のために良い薬を作っていきましょう。それに……これからも、私は時々王宮へ参りますから」
「……そう、ですよね」
ユリアは、ようやく笑顔を浮かべた。
「会えなくなるわけではありませんものね。これからも、どうぞよろしくお願いします」
二人は顔を見合わせ、静かに微笑み合った。
別れではなく、それぞれの道を歩き出すための、確かな一歩だった。