敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
「……っ」
ユリアは気付けば頬が熱くなっていた。
アリシアは意味ありげに微笑んだ。
「ちょっと、ユリア様。陛下を思い出していらっしゃいますね!」
「あ、え! ごめんなさい。つい」
「ユリア様羨ましいです。私も時には優しく、時には強引なそんな男性と恋してみたいです」
アリシアはポーッとした表情でそう言った。
その日の夕方。
ユリアは自室で、アリシアから借りた恋愛小説の続きを読んでいた。
――四巻も素敵だったわ。
何度も口付けを交わす場面も素敵だったけれど、こんなふうに情熱的なのも……。
思い出しただけで、頬が熱くなる。
――もしエルフナルド様から、こんなふうに口付けされたら……。
そこで、はっとする。
――そうだわ。
私もエルフナルド様から、熱い口付けをいただいたことが……。
あれは、初めてルトア国を訪れた夜――
思い出しただけで、胸が落ち着かなくなる。
そこまで考えて、慌てて首を振った。
――私ったら、どんどん欲張りに……。
こんなの、よくないわ。
エルフナルド様は、きっと私に気を遣ってくださっているのに。
以前は寝る前の一度だけだった口付けも、今では何度も降り注ぐようになって――
それでも。
情熱的な口付けを交わす恋人たちの姿が、どうしても頭から離れなかった。
ページを閉じても。
窓の外を眺めても。
紅茶を飲んでも。
その想像ばかりが、胸のどこかに残り続けていた。
ユリアは気付けば頬が熱くなっていた。
アリシアは意味ありげに微笑んだ。
「ちょっと、ユリア様。陛下を思い出していらっしゃいますね!」
「あ、え! ごめんなさい。つい」
「ユリア様羨ましいです。私も時には優しく、時には強引なそんな男性と恋してみたいです」
アリシアはポーッとした表情でそう言った。
その日の夕方。
ユリアは自室で、アリシアから借りた恋愛小説の続きを読んでいた。
――四巻も素敵だったわ。
何度も口付けを交わす場面も素敵だったけれど、こんなふうに情熱的なのも……。
思い出しただけで、頬が熱くなる。
――もしエルフナルド様から、こんなふうに口付けされたら……。
そこで、はっとする。
――そうだわ。
私もエルフナルド様から、熱い口付けをいただいたことが……。
あれは、初めてルトア国を訪れた夜――
思い出しただけで、胸が落ち着かなくなる。
そこまで考えて、慌てて首を振った。
――私ったら、どんどん欲張りに……。
こんなの、よくないわ。
エルフナルド様は、きっと私に気を遣ってくださっているのに。
以前は寝る前の一度だけだった口付けも、今では何度も降り注ぐようになって――
それでも。
情熱的な口付けを交わす恋人たちの姿が、どうしても頭から離れなかった。
ページを閉じても。
窓の外を眺めても。
紅茶を飲んでも。
その想像ばかりが、胸のどこかに残り続けていた。