敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
あなたから
ユリアとエルフナルドのいつもの夜。
口付けを交わし、抱きしめられる。
最近、ユリアは気になっていた。
エルフナルドは決して拒まない。
求めれば、何度でも応えてくれる。
けれど――
自分からは求めてこない。
そのことが、最近気になっていた。
――次の夜も。
「おやすみ、ユリア」
エルフナルドはそう言って、いつものように優しく口付けを落とした。
ユリアは目を閉じたまま、静かに待ってみた。
もしかしたら――と、少しだけ期待して。
けれど、それ以上の気配はなかった。
以前は、それだけで満足していた。
少し勇気を出せば、優しく応えてくださる。
それで十分、幸せだったはずなのに。
――エルフナルド様から、求めてほしい……。
ゆっくりと目を開ける。
すぐそばにいるエルフナルドは、静かにユリアを抱きしめたまま。
それ以上は何もしてこない。
まるで――待っているみたいに。
そのことに気づいた瞬間、胸の奥がきゅっと締め付けられた。
「……あの」
ユリアは小さく声をかけた。
「どうした」
エルフナルドの穏やかな声が返ってくる。
ユリアは一瞬迷い、それから意を決したように顔を上げた。
「……私からお願いしないと、もう一度はしていただけないのですね」
一瞬の沈黙。
エルフナルドはユリアを見つめながら口を開いた。
「……そう思うか?」
「……はい」
小さく、しかしはっきりと頷く。
視線を逸らしながら、続ける。
ほんの少しだけ滲む、不満と寂しさ。
それを聞いたエルフナルドは、わずかに息を吐いた。
「……お前が」
一度、言葉を切る。
「そうしてねだるのが好きだからだ」
「……え」
思わず顔を上げるユリア。
口付けを交わし、抱きしめられる。
最近、ユリアは気になっていた。
エルフナルドは決して拒まない。
求めれば、何度でも応えてくれる。
けれど――
自分からは求めてこない。
そのことが、最近気になっていた。
――次の夜も。
「おやすみ、ユリア」
エルフナルドはそう言って、いつものように優しく口付けを落とした。
ユリアは目を閉じたまま、静かに待ってみた。
もしかしたら――と、少しだけ期待して。
けれど、それ以上の気配はなかった。
以前は、それだけで満足していた。
少し勇気を出せば、優しく応えてくださる。
それで十分、幸せだったはずなのに。
――エルフナルド様から、求めてほしい……。
ゆっくりと目を開ける。
すぐそばにいるエルフナルドは、静かにユリアを抱きしめたまま。
それ以上は何もしてこない。
まるで――待っているみたいに。
そのことに気づいた瞬間、胸の奥がきゅっと締め付けられた。
「……あの」
ユリアは小さく声をかけた。
「どうした」
エルフナルドの穏やかな声が返ってくる。
ユリアは一瞬迷い、それから意を決したように顔を上げた。
「……私からお願いしないと、もう一度はしていただけないのですね」
一瞬の沈黙。
エルフナルドはユリアを見つめながら口を開いた。
「……そう思うか?」
「……はい」
小さく、しかしはっきりと頷く。
視線を逸らしながら、続ける。
ほんの少しだけ滲む、不満と寂しさ。
それを聞いたエルフナルドは、わずかに息を吐いた。
「……お前が」
一度、言葉を切る。
「そうしてねだるのが好きだからだ」
「……え」
思わず顔を上げるユリア。