敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
番外編―嫉妬―

この感情の正体は 1

 ユリアはクリックと二人で新しい薬を煎じていた。

「なるほど! この二種類を混ぜるとそんなことにも使えるのですね!」

 ユリアは感心したようにクリックに笑いかけた。

「ええ。私も市場の医局からこの間教えていただきまして。東の国の薬だそうです」
「まあ。東の国から?」
「はい。ユリア様が南の国の薬草を復活させていただき、薬も広めていただいたおかげで、市場の医局でも他国の薬を取り入れることを受け入れる者が増えてきまして。この度、医局の者が、東の国に視察として訪れた際に教わってきたそうです」
「それは素晴らしいことですね」
「ええ。かつてリヒター様が望まれていたことが、今こうして実現されていることを、私は嬉しく思っています」

 クリックは胸に手を当てた。

「まだまだこれからですが、こうして皆が新しい知識を受け入れてくれていることが、何より嬉しいのです」
「ええ、私も嬉しいです。私は簡単に国を出られる身ではありませんので、またこうして持ち帰った知識を教えていただけて光栄です」
「もちろんです! あ、東の国を訪れた者よりユリア様にプレゼントがあると預かりまして。こちらです」
「え、私にですか?」
 
 ユリアが渡された物は分厚い本だった。
 
「これは東の国で使われている薬の本です」
「まあ!! 早速読ませてください!」

 それから本を開き、二人で読み耽った。

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