敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
その日の作業をすべて終え、ユリアとアリシアは自室へと戻った。
部屋に入ると、アリシアは手際よく紅茶の準備をしながら、ふと微笑んで声をかける。
「ユリア様とクリック様は、昨日が初対面だったとは思えないほど、息が合っていらっしゃいますね。少し……嫉妬してしまうくらいです」
「そうかしら? でも、クリックさんが私の考えをすぐ理解してくださるからかもしれないわね」
ユリアは嬉しそうに笑い、身を乗り出した。
「薬草や薬の話ができる人が、こんな近くにいらっしゃるなんて思ってもみなかったの。とっても楽しくて!」
「ユリア様がこの国で楽しめることを見つけてくださって、私も本当に嬉しいです。でも……どうか、ご無理だけはなさらないでくださいね」
「ありがとう、アリシア。――それじゃあ、今日も文字のお勉強を始めましょう」
紅茶を飲み終えると、ユリアはアリシアの隣に腰掛け、文字の読み書きの勉強を始めた。
アリシアの覚えは驚くほど早く、ひとつ教えるたびに、次々と文字を吸収していく。
「それにしても、本当に物覚えがいいわ。この調子なら、すぐに本も読めるようになるわね」
「ユリア様の教え方がお上手なんです。勉強、とても楽しいです!」
「それはよかったわ。本が読めるようになったら、ぜひ私のおすすめを読んでちょうだい」
こうして、ユリアの日常は穏やかに、そして充実したものへと変わっていった。
アルジール国へ嫁いできた当初は、自分の行く先も見えず、不安ばかりだった。
けれど今は、この国でやりたいことがある。
そのことが、ユリアの心を少しずつ軽くしていた。
部屋に入ると、アリシアは手際よく紅茶の準備をしながら、ふと微笑んで声をかける。
「ユリア様とクリック様は、昨日が初対面だったとは思えないほど、息が合っていらっしゃいますね。少し……嫉妬してしまうくらいです」
「そうかしら? でも、クリックさんが私の考えをすぐ理解してくださるからかもしれないわね」
ユリアは嬉しそうに笑い、身を乗り出した。
「薬草や薬の話ができる人が、こんな近くにいらっしゃるなんて思ってもみなかったの。とっても楽しくて!」
「ユリア様がこの国で楽しめることを見つけてくださって、私も本当に嬉しいです。でも……どうか、ご無理だけはなさらないでくださいね」
「ありがとう、アリシア。――それじゃあ、今日も文字のお勉強を始めましょう」
紅茶を飲み終えると、ユリアはアリシアの隣に腰掛け、文字の読み書きの勉強を始めた。
アリシアの覚えは驚くほど早く、ひとつ教えるたびに、次々と文字を吸収していく。
「それにしても、本当に物覚えがいいわ。この調子なら、すぐに本も読めるようになるわね」
「ユリア様の教え方がお上手なんです。勉強、とても楽しいです!」
「それはよかったわ。本が読めるようになったら、ぜひ私のおすすめを読んでちょうだい」
こうして、ユリアの日常は穏やかに、そして充実したものへと変わっていった。
アルジール国へ嫁いできた当初は、自分の行く先も見えず、不安ばかりだった。
けれど今は、この国でやりたいことがある。
そのことが、ユリアの心を少しずつ軽くしていた。