敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
その夜、ユリアは眠らずに長椅子に腰掛け、エルフナルドの帰りを待っていた。
しばらくすると、そっと扉を開く音がした。
「驚いた、起きていたのか?」
長椅子に腰掛けるユリアを見て、エルフナルドは驚いた表情を浮かべた。
いつも以上に帰宅が遅い時間だったため、ユリアが寝ていると思い込んでいたようだ。
「ご公務お疲れ様でございました」
ユリアは立ち上がり、エルフナルドへ歩み寄ると、小さく頭を下げた。
「……どうかしたのか? 眠れないのか?」
そう言って、ユリアの頭を優しく撫でる。
「……いえ。あの……昨日の事でお伝えしたい事があって……」
「……ああ。どうした?」
少しの沈黙の後、ユリアは口を開いた。
「昨日……アリシアと騎士団の鍛錬場に行ったのです」
「鍛錬場に? 私も昨日は訪れていた」
「はい。お見かけしました。それで……その……女性の騎士の方が、いらっしゃいましたよね」
「ああ。エリィのことか」
エルフナルドがあっさりと答える。
「昔の騎士団の仲間だ。少し前にアルジール国に戻ってきたんだ」
「……そう、なのですね」
それ以上言葉が続かず、二人の間に沈黙が落ちた。
「エリィがどうかしたのか?」
エルフナルドが問いかける。
「お二人が楽しそうにお話しされていて……」
次の言葉を待つように、エルフナルドはじっとユリアを見つめていた。
「距離もとても近くて……。見ていたら、胸が苦しくなってしまって……」
言葉にした途端、後悔と恥ずかしさで顔が熱くなる。
エルフナルドの顔を見られず、ユリアは俯いた。
「……ユリア」
その声に、びくりと肩が震える。
しばらくすると、そっと扉を開く音がした。
「驚いた、起きていたのか?」
長椅子に腰掛けるユリアを見て、エルフナルドは驚いた表情を浮かべた。
いつも以上に帰宅が遅い時間だったため、ユリアが寝ていると思い込んでいたようだ。
「ご公務お疲れ様でございました」
ユリアは立ち上がり、エルフナルドへ歩み寄ると、小さく頭を下げた。
「……どうかしたのか? 眠れないのか?」
そう言って、ユリアの頭を優しく撫でる。
「……いえ。あの……昨日の事でお伝えしたい事があって……」
「……ああ。どうした?」
少しの沈黙の後、ユリアは口を開いた。
「昨日……アリシアと騎士団の鍛錬場に行ったのです」
「鍛錬場に? 私も昨日は訪れていた」
「はい。お見かけしました。それで……その……女性の騎士の方が、いらっしゃいましたよね」
「ああ。エリィのことか」
エルフナルドがあっさりと答える。
「昔の騎士団の仲間だ。少し前にアルジール国に戻ってきたんだ」
「……そう、なのですね」
それ以上言葉が続かず、二人の間に沈黙が落ちた。
「エリィがどうかしたのか?」
エルフナルドが問いかける。
「お二人が楽しそうにお話しされていて……」
次の言葉を待つように、エルフナルドはじっとユリアを見つめていた。
「距離もとても近くて……。見ていたら、胸が苦しくなってしまって……」
言葉にした途端、後悔と恥ずかしさで顔が熱くなる。
エルフナルドの顔を見られず、ユリアは俯いた。
「……ユリア」
その声に、びくりと肩が震える。