敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
「エルフナルド様。晩餐会の最中で悪いのだけど、少しご相談したいことがあるの」
キャロルは親しげな口調で、エルフナルドの腕を取った。
「ああ。では、あちらで話を聞こうか」
エルフナルドは入口の方を示した。
「お前は少し、ここで一人で過ごしていてくれ。何かあったら、カリルかサリトスを呼べ」
「ユリア様、ごめんなさいね。エルフナルド様を少しお借りします」
そうして二人は、ユリアを残して会場を後にした。
その親密そうな後ろ姿を見つめながら、ユリアは胸の奥に、ちくりとした痛みを覚えた。
――どうして……?
どうして、おふたりを見て、胸が痛むの……。
私は別に、陛下のことなんて……。
ぼんやり立ち尽くすわけにもいかず、ユリアは会場を見渡し、端に並べられた豪華なビュッフェへ向かった。
いくつか料理を口にした後、気分転換のつもりで庭園へと足を運ぶ。
ルトア国の庭園には、アルジール国では見たことのない花々が咲き誇り、色とりどりの景色が広がっていた。
中央の噴水のそばにあるベンチに腰を下ろし、水音をぼんやり眺めていると、背後から二人の令嬢の声が聞こえてきた。
「まさか、キャロル様とご結婚なさる前に、エルフナルド様が別の国のお姫様と結婚なさるなんて思わなかったわね」
「エルフナルド様のお相手、見た? あの方……正直、エルフナルド様が選んだとは思えないくらい、子供っぽかったわ」
自分のことだと気付いた瞬間、ユリアは思わず身をかがめた。
「でも噂では、あの王妃様とは政略結婚らしいわ。エルフナルド様が選ばれたわけじゃないとか」
「でしょうね。エルフナルド様が選ばれる方に、あんな子供っぽい方、いらっしゃらないもの」
胸の奥が、ずきりと痛んだ。
ユリアはもともと、顔立ちも幼く、華奢で胸も小さい。
今日のドレスも胸元が緩く、何枚もパッドを入れてもらって、ようやく着られるほどだった。
容姿を貶されることも辛かったが、“エルフナルドの好みではない”そう言われたことの方が、胸に重く引っかかっていた。
キャロルは親しげな口調で、エルフナルドの腕を取った。
「ああ。では、あちらで話を聞こうか」
エルフナルドは入口の方を示した。
「お前は少し、ここで一人で過ごしていてくれ。何かあったら、カリルかサリトスを呼べ」
「ユリア様、ごめんなさいね。エルフナルド様を少しお借りします」
そうして二人は、ユリアを残して会場を後にした。
その親密そうな後ろ姿を見つめながら、ユリアは胸の奥に、ちくりとした痛みを覚えた。
――どうして……?
どうして、おふたりを見て、胸が痛むの……。
私は別に、陛下のことなんて……。
ぼんやり立ち尽くすわけにもいかず、ユリアは会場を見渡し、端に並べられた豪華なビュッフェへ向かった。
いくつか料理を口にした後、気分転換のつもりで庭園へと足を運ぶ。
ルトア国の庭園には、アルジール国では見たことのない花々が咲き誇り、色とりどりの景色が広がっていた。
中央の噴水のそばにあるベンチに腰を下ろし、水音をぼんやり眺めていると、背後から二人の令嬢の声が聞こえてきた。
「まさか、キャロル様とご結婚なさる前に、エルフナルド様が別の国のお姫様と結婚なさるなんて思わなかったわね」
「エルフナルド様のお相手、見た? あの方……正直、エルフナルド様が選んだとは思えないくらい、子供っぽかったわ」
自分のことだと気付いた瞬間、ユリアは思わず身をかがめた。
「でも噂では、あの王妃様とは政略結婚らしいわ。エルフナルド様が選ばれたわけじゃないとか」
「でしょうね。エルフナルド様が選ばれる方に、あんな子供っぽい方、いらっしゃらないもの」
胸の奥が、ずきりと痛んだ。
ユリアはもともと、顔立ちも幼く、華奢で胸も小さい。
今日のドレスも胸元が緩く、何枚もパッドを入れてもらって、ようやく着られるほどだった。
容姿を貶されることも辛かったが、“エルフナルドの好みではない”そう言われたことの方が、胸に重く引っかかっていた。