敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
37 帰国
ルトア国から帰国する日、門にはキャロルが見送りに来ていた。
昨日、エルフナルドとキャロルが二人きりでどのような話をしていたのか、ユリアは何も知らなかった。
ただ、二人がほとんど視線を交わさないことだけは、嫌でも目に入った。
ユリア自身もまた、昨夜の一件以来エルフナルドと目を合わせることができず、同時にキャロルに対しても、言葉にしにくい気まずさを覚えていた。
胸の奥でくすぶる感情を押し殺しながら、二人の様子を交互に見つめた。
キャロルがそっと微笑むたび、どこか切なげな影が瞳に宿っているのを、ユリアは心の端で察した。
やがてキャロルが、ゆっくりとエルフナルドとユリアのもとへ歩み寄ってきた。
「エルフナルド様、ユリア様。この度はルトア国の晩餐会にご参加いただき、ありがとうございました。どうぞ、またお越しくださいませ」
キャロルは昨夜の出来事について特に触れることもなく、穏やかな笑みを浮かべて二人に一礼した。
その笑顔は昨日までと変わらず美しいものだったが、どこか儚げな影を含んでいるようにも見えた。
その表情にユリアは一瞬、息を呑む。
胸の奥がぎゅっと締め付けられ、言葉を出すことができず、ただ深く頭を下げるしかなかった。
エルフナルドもまた、キャロルの言葉に多くを返すことなく、軽く頷くと、静かに馬に跨った。
昨日、エルフナルドとキャロルが二人きりでどのような話をしていたのか、ユリアは何も知らなかった。
ただ、二人がほとんど視線を交わさないことだけは、嫌でも目に入った。
ユリア自身もまた、昨夜の一件以来エルフナルドと目を合わせることができず、同時にキャロルに対しても、言葉にしにくい気まずさを覚えていた。
胸の奥でくすぶる感情を押し殺しながら、二人の様子を交互に見つめた。
キャロルがそっと微笑むたび、どこか切なげな影が瞳に宿っているのを、ユリアは心の端で察した。
やがてキャロルが、ゆっくりとエルフナルドとユリアのもとへ歩み寄ってきた。
「エルフナルド様、ユリア様。この度はルトア国の晩餐会にご参加いただき、ありがとうございました。どうぞ、またお越しくださいませ」
キャロルは昨夜の出来事について特に触れることもなく、穏やかな笑みを浮かべて二人に一礼した。
その笑顔は昨日までと変わらず美しいものだったが、どこか儚げな影を含んでいるようにも見えた。
その表情にユリアは一瞬、息を呑む。
胸の奥がぎゅっと締め付けられ、言葉を出すことができず、ただ深く頭を下げるしかなかった。
エルフナルドもまた、キャロルの言葉に多くを返すことなく、軽く頷くと、静かに馬に跨った。