結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 そしてポーレット公爵は強硬派の人間だった。自分たちの主張を貫こうとする態度が強く、場合によっては軍事力や制裁も利用しようとしており、今の議会では最も強い力をもつ勢力である。
 それに対して穏健派は対立を避け、物事をなんでも穏やかに解決しようとする。
 過激派は強硬派の人間よりもその考えは極端で激しく、人の命すら道ばたの石ころと同じように軽んじるとも言われているため、決して表舞台に出てこようとはしない。表面上は強硬派、もしくは穏健派に属しているように見え、裏で活動の手を広げているとか。実際、過激派が誰なのかというのは、はっきりしていないらしい。
 そして父であるロイル侯爵は、強硬派が穏健派か、どっちつかずの態度を取っていたため、二年前、財務大臣になるためにはなかなか厳しい条件の下にいた。そのときの対抗馬が、当時の財務大臣の筆頭補佐官のトルストという男性である。彼は平民出身であったが、学園時代に優秀な成績を収めたため、どこかの貴族の養子になったらしい。その伝手を使って王城勤めを果たし、大臣の筆頭補佐官の地位まで上り詰めたとか。
 しかし、公爵が目をつけたのは、筆頭補佐官ではなくロイル侯爵であった。穏やかな性格で真面目、国王からの覚えはめでたいし、領民からの信頼も厚い。ポーレット公爵から言われれば、格下の父は「はい」としか言えない。まるで飼い慣らされた家畜のように、上には従うという教えが染みついているくらい真面目なのがロイル侯爵である。
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