結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 だから私とシオドアの縁談を受け入れ、父は財務大臣の地位を手に入れた。父自身がどういう思いでそれを手にしたのか、あまり多くを語る人でもないので真意はわからない。
「喉が渇いただろう?」
 バルコニーから庭園を一望する私に、アーヴィンがグラスをそっと差し出した。
「ありがとう」
 夜風が熱を持った身体に心地よく、冷たいお酒は口の中を刺激しながら渇いた喉を潤していく。
「ところでアーヴィン、聞きたいことがあるんだけど」
「なんだい?」
 お酒で濡れた彼の唇があまりにも艶めかしく、私の胸はドキッと弾んでしまう。それに彼の神秘的な紫色の瞳に見つめられたら、気持ちもそわそわして落ち着かない。
 学生時代とは異なる感情にとぎまぎしてしまったものの、もう一口お酒を飲んでから彼に尋ねた。
「愛人って、何をするのかしら?」
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