結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
「これからリンダさんのところに行かれるのでしょう? あなたは一度、夫婦の寝室に来たわけですから、どうぞ私のことはかまわず、彼女のところへ行ってください」
「僕としては今すぐにでもリンダのところへ行きたいくらいだが……すぐにこの部屋から出ていけば、僕が早いと思われるだけだ!」
 どうやら彼は、ある程度の時間はこの部屋で過ごす必要があるらしい。それが数十分か一時間かは私にはわからないが、この機会を無駄にする気はなかった。
「では、旦那様にはお時間があるということでよろしいですね?」
 その質問に答える代わり、彼は少し離れた場所にあるソファーに座った。私もベッドから腰を上げ、彼の斜め向かいに座り直す。
「なんだ?」
「この結婚についてきちんと決め事をしておきましょうと、そう思ったものですから」
「決め事……?」
 シオドアが深く座り直したのを見れば、この話に興味を持ったと考えていいだろう。
「はい。旦那様は、リンダさんとの子を跡継ぎとして迎えたいということですよね?」
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