結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
「もう、エマったら。学園時代の級友が顔を合わせるだけよ? そんなに緊張しなくても」
 私の言葉にエマはふるふると首を横に振る。
「あれは学園にいたから許されるわけで……。今の私からしてみれば、恐れ多いもったいない話です」
 私は苦笑するしかない。
「お茶会は一か月後くらいを考えているから、調整しておいてほしいっていうのが、アーヴィンからの手紙の内容よ? それまでに……エマを鍛えたほうがよさそうね」
 シオドアはエマを辞めさせたがっているけれど、私はもちろん彼女を手放す気はない。
 エマは家族のためにお金が必要で、そのために仕事をしている。守るものがある彼女は芯があって強いけれど、できれば彼女を守ってくれるような相手と出会ってほしい。そうなったときは、私もエマをその人に託したい。
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