結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
「はぁ……」
 面倒くさいと言わなくても、シオドアの気持ちはだだ漏れだった。
「わかった、リンダには伝えておく」
 もしかしてリンダからシオドアを借りるのだから、貸出料を支払ったほうがいいのだろうかと、そんな考えがふと浮かんだ。
「もしリンダさんが不安に思うのであれば、私のほうからもお詫びの品でも贈りますけど」
「余計なことはするな」
 そのままシオドアは、振り向きもせずに部屋から出ていった。
 彼のいなくなった室内で、私は行儀悪くソファに寄りかかるように座って息を吐いた。
 シオドアとの会話は、駆け引きのようで疲れてしまう。さらにに弱みを見せてはいけないと気も張っているから、彼がいなくなったところで、するすると身体から力が抜けていく。
 しばらくしてからエマを呼び、お茶の用意をしてもらう。
「奥様、お疲れですね。ゆっくりお風呂に入って、マッサージなんていかがでしょう?」
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