結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 弾んだ声で伝えると、シオドアも「楽しみだな」と当たり障りのない返事をする。
 いつもは料理が美味しいという話題で終わる私たちの食事の時間だが、今日はアーヴィンとのお茶会の話題で少しだけ盛り上がった。
 それは、手土産はどうしたらいいかとか、ドレスは何にしようかとか。
 私もシオドアも笑顔の仮面を顔に貼り付けているから、他の人からはおだやかな食事の時間に見えていることだろう。そして不夫婦二人で仲良く、学園時代の友人である王弟殿下のお茶会に出かける。
 こうやって仲睦まじい新婚夫婦を演じる裏で、リンダの存在は異色となっている。だから、使用人たちも気づいていながらも何も言わないのだ。
 先日、私とシオドアが二人でポーレット公爵邸に足を運んだわけだが、それが抑止力としてどれだけ効果があったのか、今となってはさだかではない。
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