結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 舌の肥えた彼の口に合うかは非常に不安だったが「何を言ってるんですか、愛情が美味しさの秘訣なんですよ」とエマが励ましてくれて、なんとか最後までやりきった。
 ヘルナントにはシオドアの様子を告げ、お茶会には私だけで参加する旨を伝えると、やはり苦い顔をしていたが「仕方ありません」と、渋々納得していた。
 ロンペル子爵家が所持する馬車も、すべてはポーレット公爵が用意してくれたもの。それにエマと護衛を連れて、一緒に乗り込んだ。
 王城までは馬車で二十分程度。公爵邸は王都の中心部にあるが、ロンペル子爵邸はそこからは少し外れた場所にある。どうしても爵位の高い者が中心に集まり、そこから離れるにつれ、下位貴族、そして平民が住んでいる区画になる。学園は王城の隣に建っており、それだけ学園は王族と密な関係ともいえる。だから学園卒業後は、王城勤めをするような者が多い。
 王城に着くと、係の人がすぐに案内してくれた。きっとアーヴィンの采配なのだろう。私たちが来たら案内するようにと伝えていたにちがいない。
 天光の庭は、王族の中でも王子たちが管理する庭だと聞いている。セリウス王子はまだ成人を迎えていないため、アーヴィンがこの庭の管理者になっているはず。
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