結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
閑話:リンダ
 リンダはしがない男爵家の娘だ。両親は真面目に生きていたと思うし、小さいながらも領地も所有しており、数百人の領民が荘園で働いている。
 リンダが王都へ出てきたのは、学園に通うためであった。
 資産も十分にあり裕福な貴族であれば王都に別邸を建て、領地と王都を行き来しつつ滞在できるようだが、リンダの家はそうとは言えない。
 細々と荘園を経営し、領民が飢えないだけの利益は出ているものの、貴族としては決して華やかな暮らしではなかった。それでもリンダは満足していた。
 なぜならその世界しか知らなかったからだ。
 そんなリンダの世界が一変したのは、やはり学園に通い初めてからだろう。平民の子たちも通ってはいたが、優秀な彼らの後ろには、国内でも名だたる貴族の姿が見え隠れする。
 どうやら平民であっても優秀で国益となるような人間であれば、貴族たちが養子にすることも珍しくはないらしい。いわばパトロンのようなもの。学園卒業後に彼らが活躍すれば、その手柄の一部が自分たちの元に返ってくるのだから。
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