結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。

4.

 三のつく日は節目だなんて、誰が言ったのだろう。三日天下とか三日で飽きるとかは、学園の授業でも聞いた話である。
 それが三か月が倦怠期とか、三年目の浮気とかを耳にするようになったのは、社交の場で夫人たちと言葉を交わすようになってからだ。
「あら? マダムコールの新作ではないのね?」
 母と同年代のミュゲ伯爵夫人が、私のドレスをまじまじと見つつ、残念そうにそう言った。今日はミュゲ伯爵家主催のパーティーに出席している。
「本日は、おめでとうございます」
 今日のパーティーは伯爵夫人の誕生日を祝うものである。ポーレット公爵家とは付き合いが長いようで、私たち夫婦も、そして義両親も招待を受けていた。
「ええ、ありがとう。でも、てっきりマダムコールの新作を着てくるものだと思っていたから……」
 ふと夫人が顔を曇らせたのは、自分の誕生日パーティーに新作ドレスを着てくるまでもないと、私が判断したととらえたからだろう。
「ミュゲ夫人。申し訳ありませんが……その、マダムコールの新作というのは?」
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