結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
マルクスは、私とアーヴィンの関係をよくわかっていないようだから仕方ない。その辺はエマに任せよう。
「失礼、お嬢さん。俺はアーヴ」
偽名なのか愛称なのか、微妙な名前だ。
「私はイラよ」
同じように偽名なのか愛称なのか、微妙な名前を口にすると、アーヴィンはとうとう耐えきれず、ぷっと吹き出した。
「それよりも、私たちの三文芝居に付き合わされている二人のほうがかわいそうでしょ? さっさと行きましょ」
私からアーヴィンの腕にくっついて、二人並んで歩き出した。
初めて目にする町の様子に、私は柄にもなくはしゃいでいたのかもしれない。賑やかに人々が行き交い、華やかなテントの露店では呼び込みの声が響き、何を売っているのかなと、ついのぞいてしまう。
「おっと、男前のお兄さん方。連れのお嬢さんの贈り物にどうだい?」
ふくよかな婦人に声をかけられ、アーヴィンもつられて露店に並ぶものを食い入るように見つめる。
「これは……銀細工か?」
「失礼、お嬢さん。俺はアーヴ」
偽名なのか愛称なのか、微妙な名前だ。
「私はイラよ」
同じように偽名なのか愛称なのか、微妙な名前を口にすると、アーヴィンはとうとう耐えきれず、ぷっと吹き出した。
「それよりも、私たちの三文芝居に付き合わされている二人のほうがかわいそうでしょ? さっさと行きましょ」
私からアーヴィンの腕にくっついて、二人並んで歩き出した。
初めて目にする町の様子に、私は柄にもなくはしゃいでいたのかもしれない。賑やかに人々が行き交い、華やかなテントの露店では呼び込みの声が響き、何を売っているのかなと、ついのぞいてしまう。
「おっと、男前のお兄さん方。連れのお嬢さんの贈り物にどうだい?」
ふくよかな婦人に声をかけられ、アーヴィンもつられて露店に並ぶものを食い入るように見つめる。
「これは……銀細工か?」