結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 木の扉を押し開くと、カランコロンとベルが鳴るものの、それよりも店内はにぎわっている。
「いらっしゃいませぇ~」
 女性の明るい声が私たちを迎えてくれた。
 アーヴィンはすかさずぴっと指を二本立てて「二人」と伝える。
「お二人ですね」
 女性はさっと店内を見回した後「窓際の奥から二番目のテーブルにどうぞ」と案内する。
「こっちだって」
 がやがやとした店内に圧倒された私は、さっと帽子をとって、アーヴィンについていく。
 テーブルが規則的に並んでいるが、その八割くらいには人が座っていて、食事を楽しんでいる。
 窓際の奥から二番目は二人がけのテーブル席。
「すごくにぎわっているのね」
「ちょうど昼時だからな。もう少し遅かったら、並ぶ羽目になっていたかも」
 テーブルの上にはメニューやら水差しやらが用意されていた。他にも調味料なども。
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