結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 そういった知恵だけは働くのだから、たいしたものだ。
「費目流用するにしても、流用元に十分な予算がなければ、それもできません」
 シオドアが眉間にしわを寄せる。
「予算がないとでも言うのか?」
「まったくないというわけではございませんが……」
 とにかくリンダのドレスや宝飾品にまわす予算はないのだ。費目流用したとしても、それは一時的なしのぎに過ぎない。
 シオドアを見ていれば反省をしていないのは丸わかりで、ここで許せば彼はもう一度同じ事をする。
「予算がない、金がないというなら、集めればいいだろ? 税金をあげればいい」
「税金をあげるのであれば、それなりの理由が必要です。当主が無駄遣いしたいからと、そんな理由であげられるものではありません」
 ぴしゃりと言ってのけても、シオドアには効果はないらしい。
「無駄遣いじゃないだろ? 夜会に出るにはそれなりの格好が必要だ。リンダがみすぼらしい姿をして、他の者から笑いものにされてもいいのか?」
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