結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
「はい、お気遣いいただきありがとうございます」
「……だが、ドレスについてはシオドアが私費を使ったとは考えなかったのか?」
 義父は、少し意地悪そうに私に問いかけた。
「そうですね。ですが、シオドアは私費もほとんど賭け事で使ってしまっているのです」
 呆れて物が言えないといった感じで、公爵はぽかんと口を開けてしまった。
「愚息が、迷惑をかけているようだな」
「いえ」
 そうです、とも言い返せない私は、当たり障りない返事しかできない。
「どうか見捨てずに、末永く頼むよ。援助はしておくからな」
 それに「はい」と答える気にはなれず、私は頭を下げ「本日は、お時間をとっていただき、ありがとうございました」とだけ、口にその場を辞した。
 帰りの馬車は重苦しい空気に包まれていた。
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