結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 そこから夫人は「イレーヌさんのドレスはこちらを基調としているから……」と説明を始め、シオドアの衣装にしてもああでもない、こうでもないと言い始めた。
「母さん、わかりましたから」
 夫人が興奮してまくしたてるように説明すれば、シオドアは冷めたような表情を浮かべる。
「母さんの見立てにまかせますよ」
 母親を立てているようにも聞こえるが、ようは投げやりなのだ。
 好きに決めてくれ。
 そんな彼の心の声が聞こえたような気がした。
 その日はなんとか朝から夕方までかかって私とシオドアの衣装が決まり、公爵夫人も満足そうに笑みを浮かべる。
「当日が楽しみだわ」
「今日はありがとうございました」
 夫人に礼を言い、頭を下げる。
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