結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 顔を歪ませたシオドアは、私の額に静かに唇を落とした。
 エラルズ王国ではエテルナ神を信仰しており、その神の前で愛を誓い合った私たちは、大勢の人に祝福されながら大階段を下りていく。さわやかな風が吹き、投げられた花びらがより一層軽やかに舞う。
 祝いの言葉をかけてくれる人たちに、御礼を言いつつにこやかに手を振った。ちらっとシオドアに視線を向ければ、彼は嫌な顔一つせず、笑顔で対応している。その事実に、なぜか私の胸は熱くなった。
 そのまま二人で華やかな馬車に乗り込み、王都を一周してからポーレット公爵邸へと向かった。
 結婚式が終われば、結婚披露パーティーがポーレット公爵家の大広間で開かれる。大聖堂にいた人たちも、すぐにこちらへやってくるだろう。
 真っ白いウェディングドレスから、カラードレスへと着替える。シオドアも同じように着替えているはずだ。
 身につけた瑠璃色のドレスのスカート部分はレースが幾重にも重ねてあってエアリー感があふれ、金糸で流星を思わせる刺繍が施されているため、シンプルでありながらも華やさがある。さらにオフショルダーのデザインは、上半身をすっきりと見せるもの。
「お綺麗ですわ」
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