結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 二人の母親に褒められ、半分恥ずかしい気持ちもあった私は、控えめに礼を口にした。
「さあ。シオドアも待っているし、パーティーが始まるわよ」
 公爵夫人の言葉に小さく顎を引き、私は気を引き締めた。
 シオドアと結婚した。となれば、私はポーレット公爵家の一員である。私の一挙一動がポーレット公爵家の評判に関わってくるため、下手な行動はできない。
 夕方から始まったパーティーは、とっぷりと日が暮れても続いている。
 公爵夫人に連れられ、なんとか招待客への挨拶が終わって一息ついたとき、シオドアの姿が見えないことに気がついた。途中までは彼と一緒に挨拶周りをしていたが、その後は紳士には紳士の、淑女には淑女の付き合いがあるといって別れたのだ。
 ただシオドアが勧められるがままにお酒を飲んでいたのが気になっていたし、しばし待っても彼の姿は会場から消えたまま。
 もしかして、夜風に当たるため外に出たのか。
 心配になり、大広間を後にして彼を探しに外へ出てみると、テラスの先にある庭園でシオドアが見知らぬ女性と二人で抱き合い、熱く絡み合っていた。
「シオドア?」
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