御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「ご満足いただけたように思います。赤ちゃんのいるお宅だったんですけど――」

依頼主について話すと、社長が深く頷いた。

「そういうお客様は結構いるのよ。掃除をしてもらいたいのはもちろんだけど、話し相手が欲しいのよね。ワンオペ育児のお母さんは孤独な人が多いわ。そういう人に親身になれる水沢さんはうちの仕事にぴったり。これからもよろしくね」

自分でもこの仕事が性に合うと感じている。社長からの期待の言葉に張り切った。

「はい。精一杯、頑張ります」

「それでね、今月のシフトが決まってからで悪いんだけど、この日、出られない? 水沢さんを指名しての掃除依頼なのよ」

勤め始めたばかりで指名されたことに驚いた。

「私がこれまでに伺ったお宅でしょうか?」

「新規のお客様よ。知り合いにあなたの評判を聞いたんですって」

ということは、その知り合いというのが渚が掃除をしに行った先の誰かなのだろう。

人に薦めたくなるほど気に入ってもらえたようで嬉しくなる。

ぜひ引き受けたいと思ったが、日にちを聞いて眉尻を下げた。

(来週の土曜日だ。宏斗さんに聞いてみないと)

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