御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
『そっか。それならなおさら会ってみたいな。渚を幸せにできる人なのか私が見てあげる。今度、お互いの彼氏も一緒に食事しようよ』

「そ、そうだね。でも宏斗さん、すごく忙しいから無理だったらごめんね。あっ、もう出かけないと。また今度、話そう」

時間が迫っているのは嘘ではないが、食事の誘いに困って電話を終わらせた。

(宏斗さんがどこで働いているのか、会話の流れで聞くよね。きっと)

宏斗の肩書を由奈にはなんとなく教えにくい。

いい出会いがあってよかったねと由奈なら言ってくれると信じているが、それでも口にしづらいのは渚自身が宏斗と釣り合っていないと思うからかもしれない。

時代が古ければ、身分違いの結婚と言われるだろう。

(家にふたりでいる時は、宏斗さんを身近に感じるのに……)

結婚準備をしていくにあたり、身分違いを感じることが増えそうな気がした。

それに耐えられるだろうかと考えていると、廊下から宏斗の声がした。

「渚、今忙しい? 柔軟剤について聞きたいんだけど」

その親しみを感じる会話にホッとしてドアを開けた。

部屋着姿の彼が二種類の柔軟剤の詰め替えを手に困り顔をしている。
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