御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
今日の彼は完全にオフなので洗濯を買って出てくれたのだが、わからないようだ。
「補充のランプがついていたんだけど、どっちを入れればいい?」
「残りに足すので同じ種類がいいです。こっちです」
「わかった」
「すみません、私、もう出ますね」
「ああ。いってらっしゃい。頑張って」
今日は一件だけなので昼過ぎには帰れる予定だ。
なにげない日常会話と優しい彼の微笑みに安心して胸をときめかせ、自宅を出た。
事務所に出勤したあとは準備を整えてから掃除の依頼者宅に赴く。
高級住宅街に建つ三階建ての大邸宅で、クラシックな門の隙間から広い庭と車が何台も入りそうな車庫、それと両開きの重厚な玄関ドアが見えた。
門の横にかけられている〝逸敷〟という表札と豪邸を見て、渚は固まっていた。
(宏斗さんの身内のお宅なの?)
今日、社長から訪問先の名前を聞いた時にもしかしてと少しだけ思ったが、親族以外にも同じ苗字の人はいるだろうとのん気に構えていた。
けれどもこの豪邸を見れば、宏斗の身内だという可能性を強く感じる。