御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「今後のお付き合いについては、宏斗さんと相談して決めます」

彼の口から本心が聞きたい。それまでは勝手な判断で結論を出したくなかった。

「あらそう。まぁ相談したところであの子はいずれ、あなたを捨てるわよ」

宏斗の母親がフッと笑って言った。

日々、包み込むような優しさを向けてくれる彼の愛情を信じている。

そんなことないという思いで小さく首を横に振った。

「宏斗が競泳に打ち込んでいたのは知ってる?」

急に話題が変わり、戸惑った。

「はい。宏斗さんは兄のライバルで親友でした」

「それじゃ、あの子が競泳を辞めた理由も知ってるかしら?」

「怪我をしたからと兄から聞いていますが」

大学生の頃の宏斗とは会っていないが、兄が時々彼の近況を教えてくれた。

靭帯損傷でレースに出られなくなり、引退を決めたという話も聞いている。

「辞めた直接の原因は、怪我ではないのよ」

彼の母親が勝ち誇ったように笑みを強めた。

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