御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
『事業がうまく行ってないんだ。再開発だとかほざいて古い商店街に新しい飲み屋が一気にできただろ。あれに客を取られてる。弁当屋も大口契約が終了して利益が半減だ。困ってるんだよ』

叔父は仕出し弁当屋と飲食店を数店舗経営している。

その事業が傾いているのは心配だが、宏斗に早く会いたい理由を考えると警戒した。

「宏斗さんに援助をお願いする気ですか?」

『借りるだけだよ。絶対に返すから。もっといい場所に新しい店を出そうと思ってるんだ。絶対にうまく行くのに銀行は融資してくれないし、困ってるんだ。力を貸してくれ。このままでは倒産しちまう』

銀行が融資できないと判断したのだから、その新店舗が開店できたとしても危ういのではないだろうか。

貸したお金が返ってくるとは到底思えなかった。

それを抜きにしても宏斗に援助は頼めない。

まだ結婚もしていないし、なによりこれ以上の迷惑をかけたくないからだ。

「すみません。できません」

渚がはっきりと断ると、叔父の口調が急にドスのきいたものに変わる。

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