御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
オムツ替えを終えた航大を抱いてあやしながら、宏斗の言葉をしみじみと噛みしめる。

(そうだよね。生後三か月の可愛らしさも今しか見られないんだ。見せたいな。どうにかならないかな……)

頭に浮かんだのは義母の顔だ。

義父は双子に会いにこの家に二回来てくれたが、義母とは前に宏斗の実家で一度会ったきりである。

一緒に孫に会いに行くかと義父が声をかけたそうだが、『うちには嫁も孫もいないわよ』という返事だったという。

(宏斗さんもお義父様も気にしなくていいと言ってくれるけど、どうしても気になる。この子たちにとってはたったひとりのおばあちゃんだから、会ってくれないかな)

渚の両親は他界しているので祖父母と呼べる人は宏斗の両親だけだ。

嫁として認めてくれなくても、子供たちとは交流してほしかった。

「どうした?」

急に黙ったせいで宏斗に心配された。

「百日のお祝いにお義母様を招待したいんです」

八日後の日曜日に、双子の百日祝いを逸敷家の御用達の料亭で予定している。

妊娠と出産があったため結婚式も披露宴も行っていない。

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