御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
男性は高級スーツ、女性は着物姿で立ち居振る舞いに品がある。

渚の知っている庶民的な親戚の集まりとは一線を画していた。

(私も着物にしてよかった)

一竹辻が花の訪問着を着ている渚は花凛を、スーツ姿の宏斗は航大を腕に抱いている。

子供の世話を考えると洋装の方が楽なのだが、座敷での会食は和装で来る女性が多いと彼に教えてもらったので美容室で着つけてもらった。

「叔父さん、叔母さん、ご無沙汰しております」

まずは義父の妹夫婦と宏斗が挨拶を交わす。

「まぁまぁ宏斗くん、立派になって。今日はお招きありがとう」

「来てくださってありがとうございます。紹介が遅くなりましたが、妻の渚と息子の航大、娘の花凛です」

義父の妹夫婦の視線が渚に向いて、緊張しながら頭を下げる。

「渚と申します。どうぞよろしくお願いいたします」

「こちらこそ。双子ちゃんもよろしくね。お顔がそっくりね。可愛いわ。出産は大変だったでしょう?」

好意的な口調で話をしてもらえて嬉しく思う。

他の親戚にも温かい言葉をかけてもらい、緊張が少し和らいだ。

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