御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
家柄を尋ねられたり結婚前の妊娠を責められたりするかもしれないと身構えていたのは、杞憂だったようだ。

(受け入れてもらえて嬉しい)

招待状を送る前に宏斗が親戚ひとりひとりに電話をしていたのは知っている。

きっとそのおかげだろうと宏斗にも感謝した。

会食の開始時間を五分過ぎてから義父が到着した。

「皆さん、遅くなってすみません」

ハッとして襖の方に振り返ると、義父の後ろにアイボリーのパンツスーツを華麗に着こなす義母の姿が見えた。

(来てくれた!)

招待状を送ってから今日まで、渚は宏斗のパソコンを借りて双子の写真や動画を義母にせっせと送信していた。

それを見れば会いたいと思ってくれると信じてのことだ。

思いが通じた気がして嬉しくなり、花凛を抱いたまま義母のそばに寄った。

「お義母様――」

交わった視線はすぐに逸らされる。

「お久しぶりです。一昨年の法要以来ですわね。お元気でしたか?」

にこやかな笑みを浮かべた義母が渚の横を素通りして、親戚に挨拶している。

(私ったら……)

舞い上がってしまったが、嫁として認めてもらえるはずがなかった。

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