御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
今日は義父に説得されて仕方なく来ただけなのかもしれない。

(それだけでも、ありがたいことだよね……)

宏斗の手が慰めるように渚の肩にかけられた。

義母の背を睨んでいる彼を見て、慌てて笑みを作って声をかける。

「宏斗さん、皆さんお揃いになられたのでお食事を運んでもらいましょうか」

なにか言いたそうにしながらも、宏斗が嘆息して頷いた。

上品な懐石料理が運ばれてきて食事会が始まる。

双子にはお食い初めのお祝い膳で、赤飯に尾頭付きの鯛の焼き物、お刺身と煮物とハマグリの吸い物が並べられた。

もちろんまだミルクしか飲めない月齢なので、口元に箸を持っていくだけの儀式的な食事である。

渚は宏斗と隣り合って座っていて、反対側の隣の席は最初に挨拶を交わした義父の妹だ。

「本当に可愛いわね。夜は何時間おきの授乳なの? 渚さんは寝られてる?」

義父の妹が優しく声をかけてくれた。

「四時間くらい続けて寝てくれるようになりました。でもふたりの起きる時間が一緒じゃない日も多いので、いつも寝不足です」

< 208 / 222 >

この作品をシェア

pagetop