御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「それが一番つらいわよね。うちの子が赤ちゃんだった頃は八か月くらいで夜の授乳がいらなくなったわ。それまで頑張ってね」

「はい。ありがとうございます」

たくさん話してくれて嬉しいが、義母の様子が気になってチラチラと見てしまう。

双子に興味がないのか視線は合わず、隣の席の男性と時々話す他は黙々と食事をしていた。

一方で義父は箸を置き、笑みを浮かべてこちらへ来る。

「どれ、おじいちゃんが抱っこしてやろう。渚さんはゆっくり食べなさい」

「ありがとうございます」

双子のお昼寝は午前と午後の二回で、今はその間の時間だ。

自宅を出る前にミルクをたっぷり飲んできたので機嫌がいい。

義父の腕に移った花凛があやされて「あーうー」と返事をしたから、それを見ている皆が笑った。

「私にも抱っこさせてくれない?」

「次は私もいいかしら。せっかくだからあなたも抱っこさせてもらいなさいよ」

「俺もか? 泣かれそうで怖いよ」

息子と娘を親戚たちが代わる代わる腕に抱く。

航大があくびをすれば笑いが起きて、花凛が声を出せば皆の目尻が下がった。

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