御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「世の中にはおかしな輩もいるからな。口コミサイトには理由を添えて削除を申請するよ。消してくれるまでは客足が減るかもしれないが、常連客が支えてくれるさ」

「大丈夫、大丈夫」と笑ったオーナーだが、その笑顔は硬い。

内心では不安なのだろうと思うと渚もハラハラした。

(私にできることはない?)

考えても名案は浮かばない。これまで通り一生懸命に働くしかできないのが残念だ。

「さあ、仕事に戻ろう」

オーナーがそう言った時、机上にある固定電話が鳴り出した。

チーフが電話に出るというので他の三人は通路に出て持ち場に戻ろうとする。

けれどもロッカールームに向けて歩き出した二歩目で、渚は足を止めた。

「どちらさまですか?」

電話応対中のチーフの声が低くなり、気になってまた事務室を覗き込む。

「水沢はそんなことしません。過去はどうなのか知りませんけど真面目に働いてくれています。もしかして口コミサイトに嘘を書き込んだのもあなたですか? 嫌がらせはやめてください」

(えっ、私?)

「あっ、切られたわ」

「あ、あの、私の名前が出ていたようですけど……?」

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