御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
食材の発注か予約の確認をしているのだと思うが、オーナー夫妻が後ろと横から画面を覗き込んでいるのが気になった。

「おはようございます。あの、なにかあったんですか?」

振り向いたオーナー夫妻は揃って困り顔をしていて、チーフが教えてくれる。

「口コミサイトに星ひとつのレビューがついてるのよ。口に合わなかったなら仕方ないと思ったけど、書き込み内容がでたらめでね。ほら、見て」

渚も画面を覗き込み、眉根を寄せた。

ランチでミートソーススパゲティを頼んだら髪の毛が混入していて、女性スタッフに苦情を言うとカスハラ扱いされて退店させられたと書かれていたのだ。

「そんな出来事、なかったわよね?」

「はい。私が勤務中はなかったです。それにミートソーススパゲティって」

オーナーが眉根を寄せる。

「うちはスパゲティ屋じゃないからメニューにないぞ」

近い味のものに和牛ボロネーゼソースのものがあるけれどラザニアで、スパゲティと間違えて書くとは思えない。

「これって絶対に嫌がらせですよ。ムカつくな」

厨房スタッフの男性が憤慨したように言うと、オーナーがため息をついた。

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