御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「スーパーマーケットも一緒に行こうと思ってるけど、行楽日和だからもっとレジャーらしいことをしよう」

(私とレジャー?)

まだピンときていない渚に宏斗がクスッとした。

「つまりデートに誘ってるんだよ」

「デ……!?」

自分には縁遠い言葉に驚いた。

これまでの人生でデートの経験は一度もない。元夫ともだ。

妻は夫に尽くして家の中にいるべきという考えの人だったので、ふたりで外食したこともなかった。

丸くなった目に宏斗の柔らかな微笑が映り、喜びがじわじわと胸に広がる。

(偽物夫婦なのに、そこまでしてくれるなんて……)

「嬉しいです。私、一度でいいからデートをしてみたかったんです」

初めてなのを隠さずに言うと少し驚かれたが、彼は優しく目を細めて頷いてくれた。

「今日が記念すべき初デートだな。行き先は渚ちゃんに決めてもらおう。どこに行きたい?」

そう言われると困ってしまう。

安いスーパーマーケットや商店になら詳しいが、デートスポットはさっぱりわからない。

頭を悩ませながらなにげなく視線を窓に向けた。

< 67 / 222 >

この作品をシェア

pagetop