御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
名刺を受け取って目にした繁史が息を飲んでいる。
「ISSIKI自動車の専務って、たしかうちの社と……」
「先週、日祥LSIデザインの社長が俺のところに挨拶にきたぞ」
キスの驚きがまだ冷めない頭でふたりの会話を聞いている。
繁史は日祥LSIデザインという会社の回路設計エンジニアだ。
渚には難しい仕事の話はわからないが、繁史の会社が宏斗の会社に仕事をもらっているのだろうということは想像できた。
(そんな繋がりがあるなんて、知らなかった)
宏斗が渚に言わなかったということは、仕事上の関係を盾にして交渉する考えはなかったのだろう。
夫婦関係を疑われたから、仕方なく切り札として名刺を渡したのかもしれない。
その効果は抜群のようだ。
繁史が深々と頭を下げ、焦ったように謝罪する。
「この度は誠に申し訳ございませんでした。渚、いえ、逸敷専務の奥様には二度と近づかないとお約束いたします」
「その言葉、忘れるなよ。二度目は許さないからな」
氷のような表情に、ナイフのように鋭く冷たい声。
優しい宏斗しか見たことがなかった渚は、彼の腕の中で目を丸くして端整な顔を見上げていた。
「ISSIKI自動車の専務って、たしかうちの社と……」
「先週、日祥LSIデザインの社長が俺のところに挨拶にきたぞ」
キスの驚きがまだ冷めない頭でふたりの会話を聞いている。
繁史は日祥LSIデザインという会社の回路設計エンジニアだ。
渚には難しい仕事の話はわからないが、繁史の会社が宏斗の会社に仕事をもらっているのだろうということは想像できた。
(そんな繋がりがあるなんて、知らなかった)
宏斗が渚に言わなかったということは、仕事上の関係を盾にして交渉する考えはなかったのだろう。
夫婦関係を疑われたから、仕方なく切り札として名刺を渡したのかもしれない。
その効果は抜群のようだ。
繁史が深々と頭を下げ、焦ったように謝罪する。
「この度は誠に申し訳ございませんでした。渚、いえ、逸敷専務の奥様には二度と近づかないとお約束いたします」
「その言葉、忘れるなよ。二度目は許さないからな」
氷のような表情に、ナイフのように鋭く冷たい声。
優しい宏斗しか見たことがなかった渚は、彼の腕の中で目を丸くして端整な顔を見上げていた。