頻発性哀愁症候群
「じゃあ、少しだけ出かけてくるわね。何かあったら、すぐに電話して良いからね」

お母さんはそう言って、パタパタと私の部屋の前から去っていく。

しばらくして玄関の扉がガチャンと音が鳴り、両親が出かけたのが分かった。
 
家に誰もいない。その状況がさらに病状を悪化させていく。
 
ベッドに横になり、近くのぬいぐるみを抱きしめる。

どれだけぎゅーっとぬいぐるみを抱きしめても、ぬいぐるみは抱きしめ返してはくれない。

「寂しい」

感情が徐々に強くなっていき、私は菅谷くんにメッセージを送った。

「今、大丈夫?」

すぐに既読がつく。

「大丈夫。それに俺も寂しかった」

この会話だけ見れば、可愛いカップルのやり取りなのに……現実はただの病状の慰め合い。
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