頻発性哀愁症候群
「この病気になる前も、『寂しい』って感情はあっただろ?」

「……うん。あったと思うけど……」

「俺、生まれた時からこの病気だから分からないんだ。物心ついた時には、『寂しい』を病気として捉えてた。でも、普通の人にとって寂しいは病気じゃないだろ?」

菅谷くんの言葉は当たり前のことなはずなのに、私はきっと一生そのことに気づけなかった。

「……基本、無視して過ごしてた……無視出来る程度の『寂しい』だったから……」

「今は無視出来ないくらい寂しい?」

「うん……寂しい」

「そっか。でも、思えばそうだよな。『寂しい』って別にめっちゃ悪い感情じゃないんだよな。みんな持ってる当たり前の感情。問題なのは、『寂しい』が大きすぎること」

菅谷くんは何かを閃いたようだった。

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