頻発性哀愁症候群
「ねぇ、奈々花。寂しくても死なないかもしれない。それでもね、心は弱るの。お母さんね、ずっと後悔してたわ。もっともっと奈々花に『大好き』って伝えてあげれば良かったんじゃないかって。そしたら、奈々花は病気にならなかったんじゃないかって」

「っ!違う!……これは本当にただの病気だから!」

「そうね、でも、今、奈々花の心は寂しいって悲鳴をあげてる。お母さんは、奈々花の悲鳴を抑えてあげることしか出来ない」

お母さんが私を抱きしめながら、私の背中をゆっくりと撫でた。


「奈々花、大好きよ。本当に愛しているわ。ずっとずっと寂しいって言い続けてもいい。お母さんが何度だって、奈々花に愛を伝えてあげる」


声にならないほど涙が溢れていくのが分かった。
 
「寂しい」は不安だ。

一生、迷惑をかけたらどうしよう。

一生、病気が治らなかったらどうしよう。

全て、不安なんだ。
 
そして、相手に「安心」を求める。



「お母さん、ぬいぐるみ一個だけ作って欲しい。ううん、ぬいぐるみじゃなくてもいい。何か一個形が欲しいの」



「え?」



「それをお守りに頑張りたい」




どうか、前に進ませて下さい。
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