泡のような世界で君と恋をする

第3話 間-あわい-

役目だと言い放った後ルシアは部屋を後にした

ひとり部屋に残された私。

淡い光が満ちた部屋。
天井も壁も、すべてが淡く揺れているのに、水の重さは感じない。
水の中なのに…。

――あれ、そういえば息ができている。

そのことに気づいた瞬間、胸の奥がざわついた。
溺れたはずなのに。
あれだけ深く、冷たい海に沈んだのに。

思わず喉に手を当てる。
水を吸い込んでいる感覚はないのに、呼吸は自然で、苦しくない。

けれど、安堵よりも先に、微かな違和感が残った。
胸の奥で、何かがきしむ。
水と空気の境目が、曖昧になっているような感覚。

(……おかしい)

理由は分からない。
ただ、この感覚には、覚えがある気がした。
記憶ではない。
もっと曖昧で、言葉になる前の感覚。


「……なんで……?」
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