泡のような世界で君と恋をする
ルシアは、振り返らない。

「人間を“鍵”として扱う限り、我らは敵だと」

その言葉に、
白い存在は、何も返さなかった。

結界が、限界を迎える。

「今だ!」
「全員、撤退!」

ルシアは澪を抱え、裂け目へ跳躍した。

水が、すべてを包み込む。

――次の瞬間。

澪は、温かな水に包まれていた。

懐かしい流れ。
見慣れた色。

「……っ……」

咳き込む澪を、ルシアがすぐに支える。

「大丈夫だ」
「ここは、人魚の王国だ」
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